岩 崎 無 双 塾


親善試合・最終戦(3/10)

 

総監督の激昂が続く中、ポツポツと選手の中から、前4試合の結果から、どの若者にもありがちな自己中心的な「自分は一生懸命やっているのにエラーをする選手が悪い」というような不協和音が出始め、監督「ほら始まった・・・・」と心の中で思う反面、「何とか彼らの気持ちを奮い立たせ、本当のミャンマーチームを日本の選手に見せることがミャンマー選手の自信につながる・・試合をさせてやりたい」という気持ちは根底にあった。だからこそ、この昼休みの間に何とか気持ちを一つに出来るようにと、また奮起してもらうようにと総監督はじめコーチ陣が口を開いた。この話し合いは延々1時間以上続いた。泣き出す選手、俺はもうこんなチームで野球をしたくないと言い出す選手やら一旦は収拾がつかない方向に進むかに見られたその時、話の輪の中にいた岩崎 ひとみ事務所長兼コーチも選手達に向かって涙を浮べ「一体何の為にあなた達は球場を自分たちで作り、何の為に今まで炎天下の練習を続けてきたの?何の為?」と問い掛けた。選手たちの目がにわかに変わり、光がさした気がしたのは私だけではなく、コーチ陣全員だっただろう。その瞬間、午後の試合は行ける! 結果負けたとしても、最後に最高の試合が出来るような気迫がチーム全体に宿ったような空気が流れた。既に日本側には「午後も、もう1試合同じ形でお願いします」と伝えてあった監督はかすかな安堵感を覚えたが、選手達には一切見せずに「君たちの気持ちが本当にあるかないかは試合で見せてくれ!」 選手達から「行きます!頑張ります!!」の大合唱の中、総監督は12月20日から一週間に亘り起こった自身の危機的な健康状態を思い出し、やはり「この球場には野球の神が宿っている、この神はひたむきに何かに向かって進む人達を決して見捨てないのであろう・・・・・もしかしたら何かが起こる・・」と球場を見つめながら思っていた。

       

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