|
月の詞書(ことばがき) ミャンマーの新年 ミャンマーでは4月に新年を迎えます。テンジャン・プエという水祭りが明けて新年となります。このお祭りは、水かけが慣わしで、水にかかることで心も身体も清める、1年の垢を流し落とすと信じられています。元日前4日間、水をかける人々、水をかけてもらう人々とヤンゴンの街は一変してにぎわいます。
今年の水祭りは4月12日から始まりました。しかしながら、4月に入るとミャンマー人たちは祭りに気が行って、仕事どころじゃなくなります。また、学校も3月中旬の学年末試験が終わり、6月までの長い夏休みに入り、家族そろっての祭りの準備となります。 この準備とは、個人的には、多くの人々が出家します。得度式の準備、別離の式のパレード、剃髪式。きらびやかに着飾った人々が、金色の傘を立てた車に乗り、数台でパレードをして、街中に家族の得度を見知らせ、シュエダゴンパゴダで参拝して、得度を行う僧院に入ります。3月、4月、暑くなり始めると、こういった得度式の車行列があちらこちらで見ることが出来、水祭り前日まで見かけることができます。 また、本番の水祭りの準備は、水をかける場所の設置、多くの水をかけてもらうための乗合トラックの確保、そういった準備が行われます。水を与える、仏教では非常に大切な寄付であり、10種のご利益(無病、息災、長寿、富福、容姿端麗、頭がよくなる、著名になる、力を得る、良き友と家庭円満、家内安全)を受け、永遠の功徳を積む善行のひとつと説かれています。それをするために、地域の人たち、または一族で、会社単位で、また政府の省ごとに、それぞれ、水かけ場所のステージを、道路沿いに作るのです。今年は、インヤーロード沿いに集中して20以上のステージが出来ました。また、ユニバーシティーアベニューやサヤサンロードも、例年のごとく多くのステージが出来、水をかけてもらいたい人たちの乗合トラックの交通渋滞となります。塾生の訓練場である野球場近くのウーチマウンロードも今年はステージが多く建ち、乗合トラックの渋滞が目立ちました。このステージには数十本のホースが設置され、ステージの上から人々が水をかけます。ステージでは踊りや歌のショーも行われ、水をかけてもらいながら人々は歌い踊ります。 私たちも、岩崎無双塾塾生たちと、タウンエースで、水をかけてもらいに行きましたが、うっかりその渋滞に巻き込まれ、1時間ほど立ち往生し、抜け道をやっと見つけ、やれやれでした。その小道にも、多くの子どもたちが、それぞれ手に小さな洗面器を持って、エイヤッと勢い良く水をかけてくれます。中には、氷で冷やした水があり、わっとかけられると、車の中は驚きの叫騒となります。頭の先から足元までびしょびしょになり、人々は飽きもせず、この繰り返しを4月16日まで行っていました。 水をかけてもらう人たちの準備も面白いものです。ロンジー姿の若者たちがこの水祭り期間は、途端に、ロックシンガーに変身してしまいます。ジーンズをはき、気取ったジャケット、サングラス、バンダナを頭に、また、鎖をジャラジャラ腰に、若者は格好つけてこの水祭りに臨みます。中には、この日の為に皮ジャンを用意し、ブーツを履いて来る、本当は水にぬれてはいけないような格好で出かけてくる子もいます。そして、彼らが忘れないものは櫛。水に濡れて乱れた髪を、必ず、櫛でとかし次の水かけステージに繰り出す。この若者たちのほとばしる熱気は灼熱の季節にぴったりです。 塾長の家では、まず、初日にはモロンイエボというお団子作を塾生たちといたします。前日より、もち米を粉に引き、一晩水につけ、夜明け前より水を濾し、それを一口大に丸めては、中に甘いジャグリー(椰子の樹液を固めたもの)をいれて、また丸めて、熱湯にいれる。浮かんできたところをすくい上げ、水に浸す。それを水から出して、ココナッツの削り実をふりかけて出来上がります。仏様に、神様に、お供えをして、近くの僧院に寄付し、ご近所に配り、残ったものをみんなといただきます。 そして、塾長が榊の小枝で、塾生たちの後ろから首に水を振り掛けます。それが一巡すると、塾生たちがいっせいにそれぞれ水を掛け合います。季節のお菓子、シュエイェンエイ(寒天のようなゼリーをココナッツミルクで食する)を食べます。少しみんなでゲームをして、今年は竹倒し、軟球で10メール先の竹に当てて、竹を倒すというゲームをしました。的当ては、熱くなるものです。だんだん、あたっていく人数が増えていくと、あたってない子にはあせりが出て、益々あたらない、でも、塾生たちはそんな当たらない子へやさしくアドバイスをして、全員見事に、的に当てることが出来ました。塾長は真っ先に的に当てて、塾生を見守っていました。それから、街に水かけステージめぐりに出かけます。お正月前日は、今年の場合、4月16日、塾生との夕食会を開き、先達からの話があります。今年は、命の重みと言う題目でした。精霊のつぶやきでこの話をあとで聞かせてくれると思います。 4月17日、新年を迎え、ミャンマーでは、若者たちがこの日にお年寄りの髪の毛を洗い、お年寄りの手と足の爪を切る慣習があります。老人を敬い、それが若者たちの功徳となる善行であり、また、実際、お年寄りは髪の毛を洗ったり、爪を切ったりすることが面倒になるであろうし、こまめにすることが出来なくなってくることも考えて、若い人たちのお年寄りへの善行と組合わせているのではないかと思います。 今年も1年、頑張りましょう。ちなみに、今の気温は37度から40度くらいでしょう。息をするもの暑いです。
短期出家(三日だと本当の三日坊主ですが…)、にご興味のある方はお知らせください。僧院をご紹介いたします。 |
|
この Web サイトに関するご意見やご質問は (スパムメール対策のため宛先を画像化しております。 |